モデル、歌手、クリエイターとマルチな才能を発揮する青野美沙稀が、11月23日(水・祝)にミニアルバム「1959 ~Magical Rockabilly Night~」をリリースする。
ロカビリーに正面から取り組んだ本作品。モデルと伝統的ロカビリーとはなんとも異色の組み合わせのようだが、じつは彼女の父親は、原宿・キャットストリートの由来となった伝説のロカビリーバンド「BLACK CATS」の元ドラマー・久米浩司なのだ。幼いころからロカビリーカルチャーに触れてきた青野が、このジャンルを自らの音楽表現の場に選んだのは必然といっていいだろう。
ボウリングシャツにフレアスカート、ポニーテールにバンダナなど、Instagramアカウントにおける青野のファッションもキュートで、見る者を1950年代に誘う。彼女のInstagramへのこだわりとは? ロカビリーへの強い思いとともに話を聞いた。
――青野さんがInstagramを始めたのはいつごろからですか?
「2014年の夏ですね。いまから2年前です。それ以前から登録だけはしていましたけど、本格的に始めたのはそのあたりです」
――ちゃんと始めてみようと思ったきっかけは何でしょう?
「モデルの仲間とか先輩とか、周りのオシャレな人がみんなやっていて……じゃあ、自分も始めてみようという単純な動機です(笑)」
――撮影時のこだわりポイントを教えてください。
「ライティング、光の加減と背景にはちょっと気を使っています。背景がごちゃごちゃしていると、見せたいものが引き立たないと思うんです。何を知らせたいのかシンプルにまとめて、情報量を減らすことも大事かなって」
――青野さんは、Twitterも使っていますよね。
「はい。Twitterはまだ周りが誰も使っていないころから始めていました。使いわけとしては、インスタは写真1枚で物事を伝えたいときに。Twitterは……もうちょっとユルめですね(笑)」
――Instagramでお気に入りの写真はどれですか?
「撮影中の風景なんですけど、私がネオンのピンクに照らされた1枚はお気に入りです。独特の色合いで、なんだか不思議な世界観じゃないですか? それでいてカッコよくてパキッとしてる。そもそもピンクが好きな色っていうのもありますけど(笑)」
――コメントで驚きを覚えたことは?
「海外の人などからもコメントがいただけることですね。以前にライブをしたことがあるタイや台湾の人はもちろん、たとえばこのあいだロケで渡米したときの写真を『LA』というタグをつけて投稿したら、アメリカのかたが辿ってきて『ビューティフル!』『アメージング!』って言ってくださったりして……ああ、向こうの人って映画みたいに『アメージング』って言うんだって(笑)」
――(笑)。
「最近、投稿ではロカビリー色が強いんですけど、そうしたファッションを初めて見た若いかたも多いみたいです。『こんなファッションあるんだ!』『かわいいね』なんてコメントもいただけて、すごくうれしいです」
――発信する側ではなく見る側としてはどのように利用していますか?
「ネイルや髪の色を変えたいと思うとき、タグを辿っていろいろな人を参考にします。あとは、あるファッションアイテムを買ったときに、みんなはどうやってコーディネートしているのかを調べたりしていますね」
――ズバリ、あなたにとってInstagramとはなんですか?
「自分の持つストーリーや世界観を発信できるツールだと思います」
――11月23日にはニューアルバム「1959」が発売されますが、どのような内容に仕上がっていますか?
「タイトルの『1959』はロカビリーの第1ブームと言われる1959年をあらわしています。それぞれの曲ごとにいろいろな場面での女性の気持ちが描かれています。当時にタイムスリップした気持ちで楽しんでいただければと思いますね」
――青野さんとしてはどの曲のシチュエーションがぐっときましたか?
「4曲目の『sweet drive』。これはドライブ中の女の子の心情が表現されていますが、ドライブいいなって。好きなんですよ、ドライブ」
――最近、ドライブしてないんですか?
「この曲のミュージックビデオの撮影で1時間ほどしましたけど……」
――それじゃガチガチのお仕事ですね(笑)。
「オープンカーで走りました。ちょっと寒かったです(笑)」
――伝説のロカビリーバンド「BLACK CATS」のドラマーを父親に持つ身として、プレッシャーは感じますか?
「そこは考えすぎず、気負いすぎないように意識しています。ただ、ロカビリーについてこれ以上ないアドバイザーなので頼もしく感じている部分もありますね」
――1番のアドバイザーですよね。
「音に関しては絶対的に信頼しています……ただ、洋服でよく口論になるんですよね。『私は最近のトレンドも入れたい』『いや! ロカビリーはこうじゃない』って」
――伝統と革新の対立は避けて通れないと。
「今日のファッションは太めのデニムパンツにゆったり目のジャケットですけど、お父さんとしてはかっちりとした上着が良かったみたいです。今回は妥協してくれましたけど(笑)」
――ははは! お父さんのこだわりを強く感じた曲はどれでしょう?
「2曲目の『バンビーナ』は何度収録をやり直したかわかりません。それだけのクオリティになっていますね。ロカビリーをやるうえでこれだけは外しちゃいけない部分はきっちりと指摘してくれるのでありがたい存在です」
――青野さんから見たロカビリーの魅力はなんですか?
「やっぱり、ウッドベースがあってロカビリーですよね。それにテンポのいいドラムが合わさった独特のサウンドが魅力だと思います」
――今後はどのような展望をお持ちですか?
「今アルバムでは、かっちりとしたロカビリーを表現しましたけど、今後はそこに何か新しいものを融合させて自分だけのスタイルを追求していきたいです。それはお父さんも理解を示していて、逆にそうしていかなければいけないと背中を押されました」
――青野さんが生み出す新しいジャンル、楽しみにしています。本日はありがとうございました!ちなみになんですけど、歌手以外で何かやってみたいことはありますか?
「うーん、あの、私、ホラー映画が好きなんですよ。だからホラー映画に主演して最後に殺される役をやってみたいんです」
青野美沙稀ミニアルバム「1959 ~Magical Rockabilly Night~」
11月23日(水・祝)発売
価格:1,800 円(税別)
【収録曲】全6曲収録
01.Midnight of trip
02.バンビーナ
03.ガールズ狂想曲
04.sweet drive
05.フレンズ
06.Love Forever