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朝食の投稿で一躍有名に。山崎佳さんが語るInstagramのボーダレス感

朝食の投稿で一躍有名に。山崎佳さんが語るInstagramのボーダレス感
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ひとつのお皿に盛り合わせた、宝石のように美しい陳列の野菜、果物たち……。山崎佳さんの「ワンプレート朝ごはん」のInstagram投稿を、いまや59万人(2016年8月現在)を超えるフォロワーが心待ちにしている。

山崎さんにとって仕事へ向かう前の日常のひとときが、世界中の人々の心を捉えたのだ。すっかり人気アカウントとなった山崎さんのInstagram。

そんな山崎さんの新刊『MORNING TABLE』が7月30日(土)に発売されるなど、その勢いは増すばかりだ。そこで今回、山崎さんにとってのInstagram観や新刊の見どころについて話を聞いた。

Instagramをはじめたきっかけ

――山崎さんがInstagramを始めたのはいつごろからでしょうか?

「2012年からです。友だちがやっているのを見て、面白そうだな、と気軽な気持ちで始めました」

――「ワンプレート朝ごはん」で一躍世に知られましたが、なぜこのような内容をInstagramに投稿しようと思ったのでしょう?

「何かひとつテーマを持たせたかったからです。10年くらい前の大学生のころから、朝ごはんの写真は、撮っていたので、そうだ、これを載せてみようと思いつきました。それまでは特にワンプレートにはこだわっていませんでしたが、最初に投稿するタイミングで今も使っているフラットなお皿を使いたくて、自然とワンプレートになりました」

――山崎さんから見て、他のSNSとは違うInstagramの魅力はなんですか?

「写真を軸においているところでしょうか。文章がメインのSNSだとどうしても言葉のカベができてしまいますが、その点、Instagramは国を超えて楽しむことができますよね」

――撮影時にこだわっているところ、注意している点は? 美大やデザイナー時代に培われた部分もあるのでしょうか?

「撮影については“できるだけ自然光で撮る”ということくらいで、特別なことはしていません。どちらかというと、被写体となるワンプレート朝ごはんなどそのものの出来に気を使っています。デザインの仕事は限られた時間のなか、決まった素材をどう使っていくか、に重きを置いて進めていくので、忙しい朝に家にある食材で……というところは、デザインの仕事の感覚に似ているな、とワンプレートを始めたときから思っています」

投稿が多くの人に支持される理由とは

――ご自身の投稿が多くの人に支持される理由はどこだと思いますか?

「食べ物は、性別や国籍があまり関係ないからではないでしょうか。自分で作る参考に、という理由で女性のフォロワーさんが多いですが、最近は男性も朝ごはんにこだわっているかたが増えているように感じます。とにかく“朝ごはんが好き!”という共通点で、フォローしてくださっていると思います」

――フォロワーからコメントや『いいね』をもらうとどんな気分ですか?

「とてもうれしいです(笑)。普段あまり『いいね』の数を意識して投稿しているわけではないのですが、自分が作ったものに反応してもらえるのは、物作りを仕事としている身としても、ありがたいなーと思いますね」

――印象に残ったコメントなど教えてください。

「“おいしそう”とか“きれい”とか言っていただけるのはもちろんうれしいですが、フォロワーさんご自身の経験や状況が入っているコメントは印象に残りますね。私が子育てについて書いたときや、障害者支援施設のケーキをアップしたときなど、“私も○○”と、その人のことが書いてあると、フォロワーさんとの距離がグッと近づけた気持ちになります」

――これまで撮ったなかでお気に入りの1枚はありますか?

「ワンプレート朝ごはんの場合は、こちらの朝ごはんがけっこう気に入っています。

出産後、ライフスタイルも変わってきて、最近はワンプレート以外の朝ごはんも投稿するようになってきたので、この写真も好きですね」

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卵割るととろり。

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――投稿者としてではなく、閲覧者としてはInstagramをどのように使っていますか?

「実は、最近は私がスマートフォンを使っていると娘もやりたがってしまうので、SNSを見ている時間がほとんどないんです(笑)。以前は、色々な方の料理の盛りつけや写真の撮りかたを見て楽しんでいましたね。特に外国の料理家の方が多かったです。“こんなところに行ったんだ”とか“子ども大きくなったな”と、友だちの近況を知るのにもよく使っていました」

――SNSを使ったセルフプロデュースで有名になる人も増えてきました。このような時代の変化をどうお考えですか?

「これまでは、なかなか自分で発信するというのは難しかったですが、SNSが普及して、とても手軽に表現できるようになったことはとてもよいと思います。ただ、SNSのために過剰に大袈裟なことをしたり、偽ったりするようになってしまうようになる傾向も最近は世界中で出てきていると思うので、そういう点では度を超えないように注意することが大事かなと感じています」

――新刊『MORNING TABLE』はどんな内容ですか? これまでの著書との違いや見どころはどこでしょう。

「前回の『TODAY’S BREAKFAST』と同じく、私が撮ってきたワンプレート朝ごはんを集めた本ですが、時々いただく“たくさんの食材をいつも買いそろえているの?”“どんなところで買い物をしているの?”などのコメントを参考に、今回は素材ごとでワンプレートをわけてみたり、Instagramには書いていないことをコラムでお話したりしています。また、今回は子どもが生まれてからのバタバタとした毎日の中で作ったごはんがほとんどなので、すごく特別な料理があるわけではないのですが、そういう等身大な部分で、お子さんがいて忙しい方にも共感してもらえるのではと思っています。少しですが、親子の朝ごはんも掲載しています」

今後の活動について

――今後はどのような活動を考えていますか?

「デザインの仕事が本業ではあるので、Instagramや朝ごはんについての活動は、チャンスがあれば出来る範囲で……といままで通りに無理のないところでやっていければと思います」

――Instagramは山崎さんの世界をどう変えましたか?

「本を出したり、いろいろなお仕事のご依頼をいただいたり……Instagramをしていなければできなかったようなことを、たくさん経験できるようになりました。ただの日常の一部だった朝ごはんも、SNSの活用でこんなふうにチャンスになるんだな、とびっくりしています」

――では最後に、山崎さんにとってInstagramとはなんですか?

「自分にとっては、日記のような感覚です。こんな朝ごはんを作って、こんなものを食べて、こんなことが気になって、感じて……ということが手軽に残していける。でもそれだけでなく、こんな個人的な日常にも誰かに共感を持ってもらえたり、一緒に何かできるきっかけにもなるので、ステキだな、と思います」

新刊「MORNING TABLE」発売

ワンプレート朝ごはんが人気のインスタグラマー山崎佳さんによる待望の新刊!

MORNING TABLE

著者:山崎 佳
  本体価格:1,480円(税別)
判型:A5・本文128ページ・オールカラー
発行:ジュウ・ドゥ・ポゥム/発売:主婦の友社

この記事を書いた人

森田浩明

森田浩明

2010年より執筆活動開始。エンターテインメントからストリートカルチャー、ロボット工学まで多彩な分野を手がける雑食ライター。また、音楽家や写真家、タレントを中心にインタビューも年間50本以上をこなす。

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