現役大学生のTammy Volpeが、ファッション誌のフォトグラファーになるまでのストーリー。Instagramへの想い

アメリカ人の父と日本人の母を持つ、Tammy Volpe(タミー・ボルピ)。10代の頃から独学でフィルムカメラを始め、現在は大学に通いながら、「Numero」、「VOUGE GIRL JAPAN」などでフォトグラファーとして活躍している。

オファーのきっかけを作ってくれたのは、Instagramだと彼女は言う。

フォトグラファーに弟子入りして何年もの下積みを経て、晴れてデビュー! という流れは今や昔の話になりつつあるのだろうか。

リアルな日常を写し出し、夢をつかんだ彼女にとってのInstagramとは?

「最初は、写真編集としてのツールだった」

――Instagramを始めたのはいつですか?

「高校生のときなので、5年くらい前になります。最初は、写真編集するためのツールとしてInstagramを使い始めました。まだ日本では使っている子は少なかったですね。写真の編集がメインだったので、そのときは何も書かずに自動的に投稿していただけでした。もちろん、フォロワーもいませんでした。」

――Instagramの投稿頻度はどれくらいですか?

「1日に1~2投稿です。自分らしい好きな写真が撮れたときに投稿しています。フィルムカメラで撮ったものはデジタルデータに現像しているのですが、36枚入りのネガフィルムのうちの、1枚くらいを厳選して投稿しています。リアルタイムにUPしたいときは、iPhoneで撮っています。」

――写真を撮るときにこだわっているポイントは?

「写真って、肉眼で見た被写体の一瞬を切り取っているだけなのに、例えばフラッシュをたくだけで、非日常的に写ったりしますよね。日常なんだけど、日常っぽくない。レンズを通すことによって、また違った視点からその一瞬の非日常を見ることが出来るんです。そして、被写体と私の関係性が見えるような写真も好きです。」

――では、被写体は身近な人たちが多いですか?

「そうですね。日常では親友のMEGUMUの写真が多いです。モデルをしているので、この間も一緒に雑誌の撮影をしました。私だけが撮ることの出来るMEGUMUの一瞬は、それは親友としての特権ですね。撮らないわけにはいかないです(笑)! 雑誌撮影も、自分と仲がいい人や好きな人を誘って、一緒に撮ることが多いです。そして、飼っている猫のMargot(マーゴ)。いろいろな表情をしてくれるので、とってもいいモデル♪ アカウントもあるんですよ! 」

▼Margot(マーゴ)のアカウント

「私にとってInstagramは、フォトグラファーとしての原点」

――TammyさんにとってInstagramとは?

「私の人生を変えてくれたと思います(笑)。そして、私の生きてきた人生や内面そのものを写し出しています。最初の頃のお仕事の依頼は、Instagramからでした。そのときは、雑誌のモデルとしてのお仕事だったのですが、撮影現場でフィルムカメラを撮っていることを話しているうちに、『今度はフォトグラファーとして参加してね』と言って頂き、今に繋がっています。私にとってInstagramは、フォトグラファーとしての原点です。」

――InstagramがTammyさんに与えた影響は?

「世界中の人たちと繋がることができるのも魅力です。Instagramのおかげでニューヨークに友だちができて、アンダーグラウンドな展示会やパーティーに呼ばれることもありました。そこでまた新しい出会いに繋がって。そういう偶然の出会いが楽しいですね。」

「写真で切り取る日常と非日常について」

――Instagramに投稿されている中から、お気に入りの写真を教えてください。

「この間の雑誌撮影のときに、ロケバスの中でモデルの子がサングラスをかけてこっちを見ていたので、その日常を撮った1枚です。右側の窓からは、空のブルーが少しだけ見えていて、日常から切り取った瞬間だけど、少し違和感があるような非日常的な雰囲気もあって、ファニーでお気に入りです。」

――お手本にしたり、よくチェックしたりしているアカウントはありますか?

「Juergen Tellerのファンページ。とても尊敬しているフォトグラファーです。日常の中でモデルを撮影した写真、それがそのままブランド広告に使われたりしているんです。そういう、日常と広告(非日常)の合間があまりない撮影手法に、私も同じようなコンセプトをもって撮影しているので、共感しています。」

▼Juergen Tellerのファンページ
https://www.instagram.com/juergentellerpage/

「カメラという私の視点を通すことで、別のストーリーが生まれる」

――デジタルではなく、なぜフィルムで撮影するのでしょうか?

「両親がフィルムカメラで写真をたくさん撮っていて、幼少のときからフィルムカメラが私の日常にあったので、その影響だと思います。両親が旅行することが好きだったので、海外に行くことも多かったのですが、まだ小さかった私にお母さんはたくさんのインスタントカメラを渡してくれました。そういう思い出が、私を写真好きにさせたのかなと思います。そして、両親が撮った写真のアルバムを時々見返すのですが、私はフィルム独特なテクスチャーにとても懐かしさを感じるし、写真を見返すことで感じることの出来る、その懐かしい感覚も好きです。」

――愛用しているフィルムカメラは?

「今は、CanonのAE-1とCONTAXのTVSⅡを使っています。おじさんが歩いている様子を撮りたかったら、デジタルカメラでは簡単に連写も出来てしまいますが、おじさんが一番おもしろく見える一瞬だけに集中して、フィルムカメラでシャッターを切る。そんな、写真1枚いちまいの重みを感じられる瞬間も好きなんです。」

――写真を撮る上で、影響を受けた人などはいますか?

「今、一番影響を受けているのは、アート。丸や三角、線などのラインやシルエットから、インスピレーションを得ています。私にとって、写真を撮る上での画角や構成バランスは、特に抽象画から影響を受けていると思います。」

――最後に、開催される個展について教えてください。

「6月17日(金)から19日(日)まで、渋谷のSO GALLERYで初めての個展をやります。今年の3月にロサンゼルスとニューヨークに行ったときに出会った人たちを撮りました。彼らには彼らの人生があって、それをカメラという私の視点を通すことで、別のストーリーが生まれる、というのがテーマです。

『出会えてよかった』って言うのは少し難しいけど、『Nice to see you』と言い合える言葉が私は好きで、個展のタイトルはこの言葉にしました。

ニューヨークに行ったときに印象的だったのが、街中で個展をやっていたこと。身近にアートがあるというその街の雰囲気がよくて。自分も東京でそのような雰囲気の一部になって、出会えた誰かにインスピレーションを与えることができたらいいなと思います。」

Tammy Volpe
FIRST PHOTO EXHIBITION

『NICE TO SEE YOU』

2016年6月17日(FRI)~19日(SUN)13:00~20:00

SO GALLERY
2-14-12 , Chambord-Shoto #108,
Shoto , Shibuya-ku , Tokyo
150-0046 , Japan

【お問い合せ先】
Tammy Volpe

http://tammyvolpe.com/

03-6451-0343

この記事を書いた人

世木亜矢子
記者として3年、その後は各種媒体の企画・編集やライター、コピーライターとして活動。ライターの仕事で一番好きなのは、インタビュー。対象は、小さな子どももお年寄りも、日本人も外国人も、幅広く。