数あるSNSの中から吉岡里帆がInstagramを選んだ理由

いまやドラマに映画に大活躍中の女優・吉岡里帆。TwitterやFacebookではなく、彼女がInstagramをやっているには意外な理由が……。

また、自ら最近はビジネスライクになりがちとは言うものの、自分の趣味を充実させるためのツールとしても活用している吉岡のInstagramの感想に肉薄。さらには、今夏公開の注目の映画『STAR SAND -星砂物語-』についても話を聞いた。

ある使命感から解放してくれたInstagram

――Instagramを始めたきっかけは?

「私はTwitterをやっていなくて、Facebookも辞めてしまったんです。一時期ブログだけやっていたんですけど、ブログだと文章をしっかりと書かなくてはいけないっていう使命感に襲われてしまって……」

――それで文章が書けなくなった?

「そうなんです。文章に書いたとしても投稿する前に消しちゃうみたいなことが続いて。でも、写真だけはどんどんたまっていって。どうにかしてそのストレスを吐き出したいなと思っていて、そんなときに出会ったのがInstagramです」

――写真だけのInstagramがちょうどよかったんですね。

「そうですね。当時は文字に対して強迫観念があったんですよね。でも写真は大丈夫で。しかも、写真だといろいろとすごく伝わりやすいし、イメージも各自で膨らませてもらえていいのかなって思います」

――吉岡さんってずっと書道をやられていましたよね、だから文字は好きなのかって思っていたんですが。

「決して文字が嫌いなわけではないんですけど、書くことってすごく難しいじゃないですか。それこそ文章にまとめるなんてなおさら。特にその人の立場になって書くってスゴいなって思います。まるで、人にメイクするのと同じだと思いますし」

――そう言われてみれば近いものがあるかもしれないですね……。Instagramに話を戻しますが、どんなときに投稿することが多いですか?

「最近は投稿したい写真はたまっていくんですけど、(投稿が)追いつかなくて……。結局、出演情報やメディアの写真を挙げるっていう……ちょっと仕事用みたいになってきてしまっていて、今は自分の趣味とは言えないかもしれない……」

――もっと自分の趣味を打ち出していきたい?

「やっていきたいですね。例えば、もうひとつアカウントを作って、“吉岡里帆”だってわからないようにしてやってみたり(笑)」

――その場合はどんな写真をアップするんですか?

「完全に趣味ですね。私は野良猫を追いかけて写真を撮るのが好きなので、野良猫日記とか」

――野良猫って今そんなにいます?

「そう思いますよね!? 結構いるんですよ。飼いならされているパターンもあるんですけど、私はそれも可。外で歩いている猫ならなんでもいいんです。それだけに、(動物写真家の)岩合(光昭)さんをすごく尊敬しているんです。あの方の生き方も好きです」

――他人のInstagramをチェックしたりとかは?

「すごく好きですよ。特に私が一番観るのは、やっぱり動物の面白動画ですね。あとは海外の方の異様に掘りの深いメイク動画。あれは観ていてめっちゃ面白い、こんなに変わる? みたいな(笑)。育児日記を付けているお母さんのInstagramも好きですね。観ていて飽きないし、癒される」

――結構観てるんですね。

「観てますよ。あと、一時期私の中でスライムを潰すだけの動画も流行りましたね」

――それはなぜ?

「潰れるときの音がめっちゃ気持ちよくて。その他にも5分間で身に付く雑学をずっと紹介しているものだったり、アートの手書きを早送りで紹介しているものだったり……」

――いろいろ出てきますね。それは何を求めて観ているんですか?

「一番は癒しだったり、趣味ですかね。ただ時間を潰すわけじゃなくて」

――自分で写真をアップする際のこだわりはありますか?

「基本的には一番それっぽい写真にしています。伝えたいことが色濃く出ているもの。お仕事の写真にしても様々なんですけど、それぞれ特色が一番出ているものを選んでます」

――最近アップしたなかで印象に残っている写真は?

「ちょっと前になるんですけど、当時結構明るめの髪の色にしていて、それを活かした撮影をしたんですよ。ピンクの背景で、白いドレスを着て、メイクもいつもとは違った感じで。それは髪を明るくしたからこそできた撮影だったのですごく印象的でしたね。いつもの私とは違う感じで」

――その写真にもたくさんのコメントが寄せられてましたが、コメントはやっぱり嬉しいものですか?

「嬉しいですね。みなさんのコメントにはいつも元気をもらっています。今年の春まで『カルテット』というドラマに出演させていただいていたんですけど、結構な悪役を演じていて、そのときはみんなに嫌われているのかなって思っていて……」

――それって、役柄とはいえ嫌なものですか?

「ちょっとは思いますね。ただ、それは気持ちのいい嫌われ方というか、演技する役柄のことを観てもらえていると思うので嬉しいんですけど。それで、『カルテット』の最終回で私は“人生、チョロかった!”っていうセリフがあって、それをみんながリアルタイムでInstagramにもコメントしてくれて。そのときはすごく嬉しかったですね。みんなドラマを観てくれているんだな、共有してくれているんだなって思って。それがInstagramの醍醐味でもあると思いました」

――吉岡さんにとってInstagramとは?

「ファンの方との一番身近なコミュニケーションツールですね。私から気軽に発信できるし、何かを伝えたいときにすごくアピールできる。それに、それを受けたファンの方からのリアクションも伺える、すごく前向きなツールだと思います」

――現在Instagramにはたくさんの写真が挙がっていますが、もともと書道をやられていた吉岡さんの書もぜひ観てみたいんですが……。

「字ですか……実は私、人に字を観られるのがすごく恥ずかしいんです」

――書道をやっていたのに?

「そうなんですよね、そこが私が(書道で)開花できなかった理由です。自信がないんですよ」

戦争映画なのに情緒的……「STAR SAND -星砂物語-」

――現在はドラマに映画に大活躍中ですが、8月4日からは吉岡さん出演の映画『STAR SAND -星砂物語-』がいよいよ公開になりますね。

「今回は(ロジャー・パルバース)監督がアメリカ出身の方で、他国の監督とのセッションはすごく新鮮で、楽しかったです。題材が戦争なのでシビアなところもあるんですけど、基本的にはとにかくロマンチックな作品だと思います」

――過去に戦争をテーマにした作品とはちょっと違いますよね。

「監督の思う戦争は必ずしも爆撃が落とされるものではなく、ましてや血みどろの人たちを描いたものではなくて。その裏でひっそりと生きている、あまり描かれることない一面を抜き取っています。戦争をテーマにしながら、こうも真逆のアプローチもあるんだって目から鱗でした」

――ある意味、戦う=戦争のシーンがないですもんね。

「戦争映画なのかって思うほど情緒的ですね」

――そんな今作に参加して、何か変化したことはありました?

「いくつかあるんですけど、戦争に対する思いは全然変わっていないです。私は父親が広島出身で、小さいころから戦争の話はいろいろと聞かされていて、それがいかに愚かで不必要なものなのか、ずっと教えられてきたんです。今は世間でもいろいろな問題がありますが、その思いはずっと変わりませんし、むしろより強くなったかなって思います。そして、その思いは監督と一致していたのでよかったです」

――映画のタイトル“星砂”ってかっこいいですよね。

「ですよね。このタイトルを恥ずかしがることなく付けてしまう監督はやっぱり素晴らしいと思いますね。日本人だと少し気恥ずかしさが出ちゃうと思うし。しかも、ものすごくロマンチックなシーンをさらっと入れてしまう感じとか、そこがロジャー・パルバース監督らしさなのかなって思います」

――吉岡さんにとってこの映画はどんな作品になりました?

「まずは親日家の監督と出会えたことがすごく大きかったです。自分の国のことをここまで改めて考えさせられることは今までなかったですし。それに、自分がいかに世界を意識していなかったのか、その感情が希薄だったのかを思い知らされました。日本は島国で内向的な部分があると思うんですけど、これはそんな内に籠っていた感情が開けた作品だと思うんです。あくまで捉え方は人それぞれですけど、映画にもこんな在り方があるんだって驚きましたし、ものづくりって面白いなって改めて思えました。あとは、熱意があれば何歳になってもできると改めてわかりました。ロジャー監督は72歳で撮った今回が初監督作品で、日本が大好きな方が紆余曲折を経てようやく辿り着いた作品でもあるんです。そんな作品に自分が参加できたことが嬉しかったですね。いい方たちと、いい作品に出会えました」

映画『STAR SAND -星砂物語-』
8月4日(金)~8月10日(木)東京・ユーロライブ、8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティ他にて順次公開。

出演:織田梨沙 満島真之介 ブランドン・マクレランド 三浦貴大 吉岡里帆 寺島しのぶ 渡辺真起子 石橋蓮司 緑魔子ほか

監督・脚本: ロジャー・パルバース
原作:ロジャー・パルバース
主題曲:坂本龍一
後援:オーストラリア大使館
配給:The STAR SAND Team
公式サイト:http://www.star-sand.com/
©2017 The STAR SAND Team

吉岡里帆 オフィシャルインスタグラム
https://www.instagram.com/riho_yoshioka/

ロケ協力:ベリーベリースープ 原宿神宮前店
ヘアメイク&スタイリング:山崎惠子
Photo by 竹内洋平

この記事を書いた人

加藤淳
音楽(特にJポップ&EDM)、エンターテインメント系全般の記事を執筆。ただし、本人が得意だと思っているのはスポーツ(サッカー&駅伝)、サブカル(アニメ&マンガ)、建造物(ダム)、オカルト(妖怪)系。