WAVESTの松村さんに聞いたInstagramのインフルエンサーマーケティング成功の秘訣とは

活用事例 2017/03/08

Facebook Japanが日本国内におけるInstagramの月間ユーザー数は1,600万人(2016年12月時点)と発表し、その成長速度は一年半で約2倍に増加するなど記録的に伸ばしています。なかでも女性がInstagramに費やす時間でいうと、1日に2時間以上も利用するユーザーが30%近くもいると発表しているデータもあり、Instagramは若い女性の生活に完全に溶け込んでいると言っても過言ではありません。

そのような時代背景の中でInstagramを使ったマーケティング施策の事例も世界中で増えてきており、企業のマーケティング担当者の方も上司の方から「プロモーションにInstagramを使ってみたい」と言われているのではないでしょうか?

今回はInstagramを活用したプロモーションに定評のある株式会社WAVESTの代表取締役社長である松村さんと営業部長の佐々木さんにお話を伺いました。

そもそもWAVESTとは

WAVESTは2014年6月に設立された、インターネット広告代理店の最大手であるサイバーエージェントのグループ会社。その中でも松村さんは新卒入社後すぐに代表に抜擢されるなど注目されている経営者です。メインの事業としてはインフルエンサーのネットワークを駆使したマーケティング施策の立案を行っています。

また、サイバーエージェントでは、スタートアップJJJ制度というサイバーエージェントのスタートアップ子会社/事業(25事業子会社)を対象として、時価総額で会社を評価し、ランク化する新たなマネジメントシステムを取り入れています。松村さん率いるWAVESTは最年少代表としてステージ昇格を果たしていて、業績も好調を推移しています。

海外でも注目されているインフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは海外でもよく使われている施策であり、プロモーションの中でインフルエンサーを活用することが一般化していると言われています。 2016年11月にGoogle社はインフルエンサーマーケティングを手掛ける「FameBit」を買収しました。

FameBitはYoutube動画クリエイターを結びつけるマーケティングプラットフォームを提供していて、プラットフォームは異なるがインフルエンサーの影響力は世界で認知されているため、そこに企業も多額な費用を投じています。

一般消費財メーカーにインフルエンサーマーケティングで切り込む

WAVESTとお取引のある企業様の業種を聞いてみたところ「飲料や食品メーカー、化粧品会社やアパレル企業などが多いですね。 一般的にインターネット広告の広告主は、商品の購入をゴールとして見た費用対効果で測定しているため、インターネット通販や携帯ゲーム会社が多い状況です。 ただ、WAVESTでは、実際に店舗展開している企業や量販店で販売されている商品のプロモーションなども数多く手がけています。」と佐々木さん。

通常、一般消費財メーカーがインターネット広告を使用する際は、実際に消費者が購入してくれたか?態度変容が起きたか?ということが計測しにくいため、webサイトのアクセスを単純に見ているだけの企業も多いと考えていた筆者にとっては意外な解答に感じました。

今の企業のマーケティング担当の心理に関して、代表の松村さんは、「なんとなくオフラインメディア施策が効かなくなってきている感覚もあるようで、皆様お悩みのようです。」と言う。

一般的にマスメディア、特にテレビを利用したプロモーションを行う目的のひとつとして、いわゆるブランディングと言われる「商品の認知率向上」が挙げられます。では、そもそもブランディングとはなんでしょうか。

ブランディングの定義とは

ブランディングは以下の4つを定義することができます。

ブランド認知(Brand Awareness)
→そのブランドを知っているか?ブランドの名前、商品を消費者に知ってもらう。

知覚品質(Perceived Quality)
→そのブランドは品質が優れている、性能が安定しているなどの認識を消費者に伝達する。

ブランド連想(Brand Associations)
→いかにそのブランドを連想させるものがあるか。例えば「このブランドといえば、炭酸飲料で人気の商品だ!」など。

ブランド・ロイヤルティ(Brand Loyalty)
→そのブランドがもつ顧客への訴求力」、あるいは「忠誠心や執着心」。  

20代を取り巻くSNS事情

松村さんは現在における20代のSNSを取り巻く環境ついて、「いまの20代女性は、テレビを見ている時間は1日1.5時間と言われいて、スマホの方が長く使っている傾向があります。そんな彼女たちも数年前までは10代だったけど、月日が経ち、年齢が上がり、マーケティング対象となるF1層になっているため、彼女たちが一番接触しているスマホによって商品訴求をすることが効果的であると言えます。また彼女たちは広告に敏感で、バナー広告なんて簡単に無視してしまいます。」と言う。

WAVESTは、そういった現代の若者の行動を捉え、インフルエンサーマーケティング施策を立案しています。WAVESTに依頼される与件内容としては、「商品に対する認識の向上」「知覚品質の向上」が多いので、プロモーションの中心に置くのは、キャスティング(自然な訴求)やUGCを使ったコンテンツ作成、一般消費者とのコミュニケーションに重きを置いている。

当たり前のことを当たり前にやるから成功する

実際に某大手飲料メーカーのプロモーションを手がけた時の事例について、今回特別に教えてもらいました。当時、飲料メーカーの宣伝部では、マスプロモーションによる訴求が、消費者のブランド認知向上に繋がりにくくなっていることを感じ始めた時期だったそうです。

そこで、全国で展開する実店舗において、大規模なキャンペーンを企画。各地方都市で活躍している地元のインフルエンサーたちに、イベントへの参加をしてもらい、感想とオリジナルハッシュタグを付与してInstagramを中心としたSNSで投稿をしてもらいました。

ただ、この施策は想像する以上に大変で、地方都市毎にインフルエンサーを発掘し、イベントの参加依頼をかけていく事前準備が必要です。インフルエンサーを選定する基準は、インフルエンサーのフォロワーに重複はないか、リーチに重複はないかをチェックしながら、出来る限りリーチが増えていくように配置をしなければなりません

そのキャンペーンで使用したオリジナルハッシュタグは、1,000件以上の一般ユーザーから投稿され、結果として投稿者の関連したフォロワー含め数百万人が目にすることになりました。一般的に行われるハッシュタグキャンペーンでは200~300程度の投稿があれば成功と言われている中で、とても高い効果があったことが伺えます。

さらに、その後2次的な効果を狙うために、キャンペーンサイトにユーザーが投稿したコンテンツ(UGC)を設置することで、このキャンペーンでどのような態度変容があったのかについて定量的にも、定性的にも分析を行う。「単純にバズった!バズらなかった!ではなく、施策や企画が消費者にどのような反応与えているのかについてチェックをしていますね。1枚ペラの報告書なんてありえない!当たり前のことを当たり前に行うことが大事なんです!」と佐々木さん。

結果として、商品売上の向上、認知率の向上があったことを理由に次回のキャンペーンも継続してほしいという依頼が来たそうです。

松村さんが語るWAVESTの強みと、Instagramの今後

「単純にキャスティングを安く行っている企業はたくさんあります。そういった企業の場合、単純にフォロワーが多い著名人の方をパッと提案をしたりされます。ですが、キャスティングはお仕事プラットフォームではありません。しっかりとインフルエンサーと繋がっていて、レポートを含めて地道に企業と二人三脚で泥臭く頑張ってくれる企業が良いのではないでしょうか。佐々木が言うようにやりっぱなしの企業なんて絶対に駄目ですよ。(笑)」と松村さん。

また、今後のInstagramの可能性を松村さんに伺うと「現在、月間の利用ユーザーは1,600万人。FacebookやTwitterなどの事例を考えると3,000万人くらいまでいく可能性もありますよね。Instagram自体も新しい機能を追加しているので、もしかしたら、Facebookのように投稿自体にURLもついたりする可能性もある。新たに実装されたStoriesやLive配信もプロモーションに取り入れる施策を実験していますし、今後プロモーションに取り入れていきたいですね!」と力強く語ってくれました。

株式会社WAVEST
http://www.wavest.co.jp/

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回のインタビューでWAVESTの強みは以下4つにあると筆者は感じられました。

(1)サイバーエージェントグループとして、Instagramに限らず、ナショナルクライアント様と一緒に成功と失敗を繰り返してきた経験

(2)多くのインフルエンサー施策を企画しており、取扱件数は、おそらく日本でもトップクラス

(3)お互い信頼関係のあるインスタグラマーの数。一般人のインフルエンサーでも、松村さん自ら、地方にでも直接を会いに行って信頼関係を築いていた。(普通、地方のインフルエンサーに直接に会いに行くことは業務効率上、敬遠されがちだが、WAVESTではインフルエンサーとの信頼関係を重視し、定期的にミーティングを行い、お互いアドバイスをしあっている。)

(4)細かい分析レポーティング。やりっぱなしのプロモーションなんてありえない。

マスプロモーションの影響力は大きいことは事実です。しかし、商品やターゲット世代によっては、SNSを活用した方が効果的にリーチをしていくことが可能であると言えるのではないでしょうか。

トレンドであるInstagramインフルエンサーの活用は、既に多くの企業がその効果を実感し、更に取り入れようとしていますどこの企業とパートナーシップを組み、プロモーションを行っていくかは重要です。

WAVESTは他のインターネットベンチャーと比較しても若いメンバーが揃っているため、一見すると派手にすら見受けられがちです。しかし、彼らの業績やお客様から支持を得ている理由は、お客様、消費者、インフルエンサーの三方に目を向け、真摯に地道な対応を日々行い続けることだと痛感しました。今後もWAVESTの活躍に注目したいです。

この記事を書いた人

今城博史
notari株式会社代表取締役社長。Instagram解析ツールの「Aista」、エンジニアの情報アンテナを加速させる共有サービス「TechClips」を提供。